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コラム
2002 Vol. 5 PDF 版


暑中お見舞い申し上げます。

市況も梅雨時か? 余りパッとしません。昨今何やら沈殿してる様相を呈しております。バルカーは今年始めケイプがかなり改善しパナマックス以下に好影響をもたらしてきましたが春頃から軟弱となり伸びに欠ける現状です。ハンデーサイズはやや違う動きをしているがこのカテゴリーでは 22/23 型は需要が弱くなり30型前後がより求められだした感があります。何れにしても市況は盛り上がりに欠けている現状です。近海は依然低迷横滑りでやや恒常化しているのではないかと心配です。近海は特殊制限海域でアジア地区の経済好転を待つか、中国の台頭に期待したい。

タンカーは一時の盛り上がりは無くやや低下していると観ます。代替需要は既に整備が終わっており新規需要は停滞しているのではないでしょうか? ケミカルは20型近辺のサイズで需要が伸びましたがこれ以上新規建造は船腹過剰をきたします。

上記市況を反映してか新規新造船発注も低迷しておる筈です。大手は大型船で潤沢に受注残もっておりましょうが、中手以下の造船所は受注ペースは落ちている筈です。中国造船所等の台頭もあり、船価プレシャーが始まりやや後戻りとなりましょう。為替も不透明です。海外では市況底打ち感ありとして彼らが新造船を発注するのでは無く日本の選手に為替リスクとらせて長期傭船する仕組みで需要を喚起する向きもありますがこれは何ら新しい手法ではありませんが今後は傭船者背景等より注意することが肝要でしょう。特に大手商社が介入していても先の海外傭船者も含めていろいろリストラもあり期間リスクが以前に増して大きくなる傾向を観ます。やってしまえばそれまでですが契約上の事故に対する対応力を持っておく事が肝要なのです。

中古船取引は今年前半は市況底打ち感があってか特にギリシャ筋が活発に動いて多くの成約を観ました。6月後半よりギリシャ筋も控えめになったのを感じております。この時期円高傾向になったため日本側も悪乗り出来ない背景もありましょう。近海船は 5 - 10 歳を対象に買船引合が増えておりますが船価的に縁結びが難しい現状です。売り手側の懐事情が許容されれば成約している現状です。又 BB HP 形態での引き合いも散見されます。資金的には余裕は無いが市況に就いては将来改善すると確信もっているのでしょうか?

梅雨が明ければ欧米は夏休みです。日本も最近長期夏季休暇をとる傾向にありますが、矢張り人がおって動かなければ市況は停滞するものです。過去実績でも8月に市況が沸騰したことはありません。じたばたせずに猛虎の復活を待つ事にします。


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