6月に入ってドライマーケットが急伸。下記6月3日付け BDI 参照。青色がケープ、橙色がパナマックス、黄色がハンディマックス。


売買船市況ではこの1年間での変化は過去に例を観ません。簿価が下がっているので低船価でもかなり実績が出ておりマーケットを構築しております。傭船市況の上昇と何処かでハーモナイズするのでしょうか? これから出てくる多数の高価新造船がどう作用するのでしょうか?


背景としては、殆どの指標がゆっくりながら水面上に上がりつつ、或いは水面下のマイナス指標も未だ水面下とは云え改善しているものと想われます。この景気判断を「悪化テンポ緩やかに」と表現します。

中国向け鉄鉱石荷動きが回復、BDI 指数は昨年末の5倍に上昇。中国の内需政策が功を奏したか、製造能力が著しく拡充されているからそのウメアワセをしているのか - 様子を観ましょう。中国と言えども多数の賢人がおられるゆえ前者が背景でしょう。

鉄鉱石、石炭以外のバルク物の海上輸送が活発化するのを期待して止みません。先進国/新興国が集ってグローバルに景気回復を志向しているので再度底を打つことはありますまい。


自動車産業、住宅産業は裾野が広く、景気/雇用に影響します。自動車では GM 、住宅はサブプライムローンで我々も勉強しましたが政府介入も致し方ないと思われます。然り思考して海上輸送量が増えることを祈願するばかりです。自動車は先進国、新興国に多数のメーカーが在り次から次へと新型車を出し、「買い替え」を誘う激しい宣伝をし、一方需要が右肩上がりを前提で設備拡張、工場新設してきたものです。

自動車に限らず「もったいない」神様がブレーキをかけたのでしょう。低価格車、ハイブリッド位で一旦休憩して足元整備をしては如何でしょうか。自動車船はひと昔と様変わりで今は余剰、係船、解体で大変です。

リーマンブラザーズの元 CEO がアメリカ議会の公聴会で曰く、「皆が踊っている間はパーティーはやめられない。たとえそれが非合理的なものであったとしても」。
世界の政治経済は最早米国主導ではありません。グローバルなのです。海運も然り。さりとて米国を侮るわけにはいきません。オバマさん荷物は重いでしょうがガンバレガンバレ。真価の出しどころです。