今年に入って、本当に先の読みにくい年だと感じております。

エジプト大統領ムバラクが2月11日辞任しました。近隣のイスラム教圏にも良かれ悪しかれ影響を及ぼしています。スンニ派とか、シーア派とか、これらの国の宗教、歴史は不詳ですが、新聞では「圧政」から「民主化」に移行するプロセスと表現しています。「民主主義」の旗艦であるアメリカが云う「民主化」がこれらの国にフィットしているのでしょうか? 政府派も反政府派も時間がくれば、跪いてお祈りしています。イスラム教も軽視できません。資源輸出国だけに海運に無関係ではありません。「民主化」がどこで着地するのか注目しましょう。

日本の GDP は中国に抜かれて世界第3位。中国を含めて新興国の経済発展は大歓迎です。新興国に需要が出来て、世界の物流が増加すれば海運に資するところ大。第3位で大いに結構です。

日本の政治は、毎日連載マンガを読んでいる感があります。唯、外交だけはシッカリやって、余り恥をかかないように、国威を下げることの無いよう頑張って貰いたいものです。日本の企業は円高にも拘わらず、決算内容は良くなっている様子、「景気は踊り場、脱却へ」(日経 2011/02/15) とあります。これは新聞に掲載される大手企業が対象で、多くの下請け中小企業を泣かせているのではないでしょうか? だから就職難とか景況感が今少し欠けているような気がします。大手オペレーターの決算内容が良くても、用船している先の船主が円高などで泣いていることは無いでしょうか? 船舶融資にリスケが散見されます。


日本の造船業は韓国に抜かれ、いずれ中国にも抜かれるでしょう。この仕事はベルトコンベアー方式で建造出来ないし、ロボット化も出来ない労働集約産業と云う宿命を背負っています。造船専業造船所はより高度な品質、性能を追求するべきです。兼業大手は造船を辞める方向で再構築すべきでしょう。

日本の海運は経済のグローバル化に可なり対応出来ていると観ています。便宜置籍船のお陰でしょうか? オフバラで国内船主・金融のお陰でしょうか? もろもろの経済基盤の中で海上輸送量が増えている限り、少々の「沈みつ、浮きつ」があっても安泰でしょう。鉄鉱石、石炭、小麦が飛行機で運ばれるとしたら、それはズット先の話です。

世の中、ますますグローバル化しています。日米欧の先進国と中国等の新興国を加えた G20 会議は多岐に亘って議論されています。地球一家族ベースでの議論は温暖化問題も含めて結構なことです。リーマンショックとかサブプライムローン問題とかが再発しない様な調整、監視がますます必要です。「神のみぞ識る」では困るのです。G20 財務相・中央銀行総裁会議はパリで開かれています。注目しましょう。G7 はもう不要だと思います。