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コラム
2019 Vol. 1 PDF 版


GEOPOLITICAL(地政学)的には世界は騒がしくなっておりますが、海運、造船、関連企業などの海事クラスターにとってパニックに陥ることなく最後の「平成」に入ったのではないでしょうか? しかし、世界の政治、経済の動向は引き続き注視しましょう。必ず海運市況に影響を及ぼし、また対応を迫られます。海運業界のトップが新年の抱負として語っておられましたが、年間ベースでみれば市況は昨年後半のレベルで推移するものと予想されているようです。必ずしも悲観的ではありません。一方、地政学的には米中貿易戦争の先行きを懸念しておられ、足元の問題として船舶燃料油規制を挙げておられました。我々は世の中の流れを暫し静観せざるを得ません。おそらく、春頃まで静観しておれば良かれ悪しかれ、いろいろな事案は着地を観ることでしょう。春を過ぎ、着地をみれば、ボーッとは出来ません。チコちゃんに叱られます。

上記トップの抱負にはデジタル化の推進も唱えられておりました。デジタル化が我々の日常生活に徐々に浸透して来ているのは実感しますが、海運/造船においてどのように具現化されていくのでしょうか? この道の知見者、技術者の研究で、より簡便になり、コスト減に繋がるのでしょうか? 人間の能力はこれら技術の発展と反比例して衰えているとの見方があります。長年培った経験と実績を加味して、船舶(商船)の自動運航を早期に具現化して欲しいものです。いずれ可能になるでしょうが、航空機産業、自動車産業に後れをとらないよう海事クラスター総力を挙げて頑張って欲しいものです。既にアチコチで検討グループがあるのは承知していますがスピード感に欠けます。ここは猪突猛進で行きましょう。昨今、ややは廃れたとはいえ、日本は海運/造船立国です。多くの費用は国家予算をつけることによりカバーできないでしょうか? どこよりも早く日本が自動運航を集大成することを期待します。

いろいろの事案が「良かれ悪しかれ」でなく、「良かれ」で着地することを期待して、年頭所感としては遅きに失しますが、本年が良き年となるよう祈願致します。

野田 著


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